Native Americanの大地へ |
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2/29 ファラパイヒルトップ→ハバスパイ
今日は抜ける様な青空だ。朝はちゃんとホテルのレストランで腹ごなしをして出発する。 ■トレイルよりハバスキャニオンを望む■ 私達は車のトランクに荷物を残し3日分の荷物を持って下山を開始した。 ハバスパイの村はこのキャニオンの下にある。 風は少し冷たかったが日の当たるところは少し汗ばむほどだ。最初急な崖のスイッチバックの細い坂を下って行く。ちゃんと登山用のバックパックをしていないので、ちょっと歩きにくい。 最初のうちは写真を撮り撮り歩いていたがすぐにその余裕がなくなった。 周囲の景色は乾燥地帯で大きな石の壁がすぐそばまで迫っている。 石がゴロゴロしていて足元が悪い。ヒルトップにいたミュールが次々追い越して行く。 スイッチバックの崖を降りきると、少し平坦な道になる。しかし足元はどんどん悪くなりちょっときつい道だ。と、いうのかこれは道なんだろうか?(笑) どうも水のない河を歩いているらしい。どうりで石がゴロゴロ丸い。 最初両岩壁は離れていたのだが、次第にその幅は狭くなっていく。 日差しはきつい。静かだ。鳥の鳴き声と私達の足音しか聞こえない。 ヒルトップから村までは8マイルある。約13キロだ。時々休憩をとりながら黙々と歩く。少し足のくるぶしの腱が痛い。足元の岩のせいだろう。それとも日頃の運動不足か?途中両壁がぐっと迫った所に大きな木が立っていた。なんという木だろう。 日差しもあまり入りにくい雨もきっと少ないであろうこの場所にすっくとその木は立っている。 あと2マイル程で村に着く所でハバスパイの人々に出会った。 シャベルで土を掻き出しているので、どうしたのか訊ねてみると、河に溜まった土砂を退けているらしい。その場所付近から河に水が流れ出していた。「今日は良く眠れるよ」とねぎらわれ、私達は彼らを後にした。 徐々に緑が深くなってくる。と思うと突然空が開け、木がたくさん生い茂っている場所にでた。水の音も聞こえる。木々の中に入っていくと村の看板が建っていた。 あと1マイルだ。ここからは道も柔らかい土に変わっている。 道の横を河が勢い良く流れている。河は青い色をして、澄みきっていた。 橋を渡り、鉄柵に沿って進んでいくとようやく人の声と耕運機の音が聞こえてきた。 村に到着だ。村は馬がたくさんいて、平屋のお家が数十軒ある。小さな村だ。村の真ん中にはロデオ場があり、村で唯一の牛が二頭仲良く寝そべっている。 小道を歩いていくと馬も歩いていた。 少年が馬を操っている。彼に道を訊ねてロッジに向かうとツーリストインフォメーションの建物があり、その横がヘリコプターの着く広場になっている。ちょうど降り立つところで、側にいた村の人が塀の内側にいるように、と教えてくれた。巻き上がる砂煙がすごいのだ。 そこを過ぎると、右手にポストオフィスとショップ、左手にカフェがある。 ちょうど村の人々がショップの前で世間話をしていた。ここはどうやら社交場らしい。 その先に学校があり、その裏手に教会とロッジがあった。 なんだか懐かしい匂いのする村だ。私達は疲れた身体をベッドに横たえ、深い眠りについた。 3/1 ハバスパイ
朝から雨が降っている。シトシトと外の景色も昨日の砂ぼこりっぽさが嘘のように濃い。 雨上がりで風景がしっとりとしている。道もフカフカと歩きやすい。 岩の色も木々の緑も露に濡れている。家々や馬たちもホッと一息ついた様な気持ちのいい朝だ。 ■ハバス・クリーク■ 村外れまで歩いていった。少し日が射してきた。 昨日歩いた道を戻って白い花の木があったところまで行くことにした。 途中橋があった。今日も河は美しい水が走っている。 雨のせいで少し水が河をそれて流れていたが、馬に水を飲ませるにはちょうど良さそうで、飲ませている人がいた。ハバスパイの人々は年配の人ほど気さくに答えてくれる。若い人特に子供達は恥ずかしがりの子が多そうだ。彼は気軽に挨拶をしてくれた。 白い花の木はそこからすぐのところにあった。柵が張りめぐらされているので開いている場所を探し、木の下まで行ってみた。桃の花や桜の花も咲いている。緑の木々をバックに春のやさしい風景に満ちていた。 白い花の木は高さ5m位あるだろうか、木の下にいるとそよ風で花びらがハラハラ舞っている。 帰り道、ハバスパイの人が馬で観光をしないかと声をかけてくれたが私達は歩きたい気分だったので断ることにした。彼らは馬によって生計をたてているのだ。 少し日差しがきつくなってきた。日向を歩くと汗ばむぐらいだ。ショップでアイスとソーダを買い、ロッジに戻る。 ロッジの庭でアイスを食べると急に眠気が襲ってきた。 私はそのまま夕方までぐっすりと眠ってしまった。 その夜は満天の星空を眺めて一日を終わった。谷間なので空が区切られているにもかかわらず、空気が澄んでいるせいか星の数が非常に多く見えるし大きく見える。赤や青や白の星ぼしの煌めきがこぼれ落ちそうなほどだった。
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