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風の言葉を伝えて=ネイティブアメリカンの女たち
ジェーン・キャッツ  編  
船木アデルみさ+船木卓也  訳   築地書館
  ファニータ・エスピノーザ
ミネソタ州在住の先住芸術家の作品を紹介する「ネイティブ・アート
・サークル」の設立者。
「聖なる風の女」-芸術が結ぶ民族の輪-P.98より
怒りはエネルギーを与えてくれますし、時として芸術を追求する原動力にもなります。芸術とはまた癒しでもあり、家族の生き方や自分のビジョンを末代に残す手段でもあります。表現されるものが美であれ痛みであれ戦いであれ、芸術は他人が私たちの文化を体験し、互いの類似点を発見する機会を与えてくれると私は思っています。私は芸術家のネットワークづくりのために各地をまわりますが、インディアンの世界ではどこに行ってもお互い家族のような気持ちになれますね。インディアンには他人と「親族の絆を結ぶ」という伝統がありますが、これこそ私たちネイティブ・アメリカンの文化が今まで生き延びてきた理由の一つかもしれません。
著者まえがきより
数年前、私はネイティブ・アメリカン女性が直面する問題や選択について彼女たちの想いを聴こうとテープレコーダーを鞄に詰め、レンタカーでアメリカ中の都市や居留地の裏道を走る旅に出た。現代ネイティブ・アメリカン女性が歩む道は多様でありながら共通する部分も多い。本書はその道をたどる過程で著者が出会った女性たちの声を集めたものである。当初、私はこのテーマの大きさも、ネイティブ・アメリカン社会という「異国」に立ち入るよそ者を待ち受ける落とし穴のことも想像がつかなかった。幸いにも、旅の途中で様々な女性からアドバイスを受け、私は旅を順調に進めることができた。私が出会ったネイティブ女性たちは、神秘的なメッセージを伝える「森の聖者」ではなく、それぞれの人生や個人的な話の一部を分かち合ってくれる等身大の女性であった。
民族の抑圧や差別の歴史を背負いながら、現代を生き抜く彼女たちの言葉や行動には大地に根ざした哲学のもとに強い信念と様々なものに対する優しさを感じます。色々な問題にぶつかり、遠回りをしながらも生きる等身大の彼女らの言葉に多くの勇気を得ることができました。

■この書籍に関するリンク■

築地書館    出版社のサイトです。

アースロッジ・ホームページ    翻訳者船木卓也氏のサイト。

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